歯のメンテナンスの頻度や料金ってどれくらい?歯医者が解説!
こんにちは!東京都墨田区にある、篠塚歯科医院です。
皆さんは、歯のメンテナンスで定期的に歯医者を受診していますか?
近年、「予防歯科」という言葉をCMなどで少しずつ耳にするようになりましたが
政府の骨太指針にも「国民皆歯科健診」が組み込まれ、国も歯のメンテナンスの重要性を認めております。
しかしながら、一般の方々からすると、「歯医者はなんだか苦手」「痛くないのに通うのはちょっと…」などと感じる方も多く、歯のメンテナンス「予防歯科」に対しての意識が低いのが現状です。
ご自身の歯があるうちは、当たり前に自分の歯が一生あるものだと思ってしまいがちですが、歯を失ってからその大切さに気づくのでは遅いのです。
本記事では、皆さんの大切な歯が失われることを防ぐために、歯のメンテナンスの重要性とその頻度・料金などについて詳しく紹介していきます。
目次
「歯のメンテナンス」をサボる日本の実態
皆さんに非常に残酷なお知らせがあります。
日本人は80歳で約半分の歯を失うのが普通です。
残念ながら、日本人は先進国の中でも歯に対する認識が著しく低いです。
皆さんは、「当たり前に自分の歯が一生持つもの」と考えてはいませんか?
「これまでの10年の歯の変化」が「これからの10年の歯の変化」と同じと考えていませんか?
そのままの考えだと、もしかしたら将来、自分の想像より多くの歯を失ってしまうかも知れません。
よく「虫歯になっても、歯を削って治せばいいのでは?」と思われる方もいるかもしれませんが、一度削った歯は二度と元には戻りません。
ご自身の歯は、治療を繰り返して削るたびに失われ、着実に抜歯へと近づいてしまいます。
一般的な保険適応で治療した素材での治療の耐用年数は平均7.4年と言われています。「10年もてば良い方」というのが現実です。
そして、一本の歯が抜歯までに治療できる回数は平均で約6回と言われています。
日本人が現在80~84歳までにどのくらいの歯を維持することができているかというと、約半数の歯(28本の永久歯のうち13.6本)が抜歯になっているという厚生労働省の実態調査で結果が出ています。
「虫歯」や「歯周病」で多くの歯を失えば、食事のしづらさから、家族や友人と同じ食事を「おいしく食べる」といった楽しみが失われるリスクがあります。
さらに、「健康寿命」は残っている歯の本数が多いほど長くなるというデータも報告されているため、健康でいられる寿命まで短くなってしまうリスクもあるのです。
「虫歯になったらどう削って治す」を考えるのではなく、「どうやったら削らずに済むのか」を考えることが、非常に重要になってくるのです。
そしてこれら虫歯や歯周病は、偶然できることはなく、必ずこれらが生じるのには原因があります。
その原因を取り除くために、歯のメンテナンスを含めた予防歯科が必要なのです。
予防歯科に関する情報の詳細は以下のページをご覧下さい。
歯のメンテナンスって何するの?
歯のメンテナンスでは、クリーニングだけでなく、お口の中を様々な検査によって、多面的に虫歯・歯周病リスクを把握します。
お口の状態の把握し、患者様一人ひとりの生活環境や、ライフスタイルに合わせた、最適な予防方法もお伝えしていきます。
歯のメンテナンスの内容
篠塚歯科医院では、予防歯科に力を入れています。
メンテナンスは全て個室で1人1時間を確保し、クリーニングだけでなく年間通して様々な検査を行うことで虫歯・歯周病のリスクを徹底管理しております。
すべての患者様が「自分の歯でおいしく食べられる」ように、スタッフ全員が連携を行いサポートを行っています。
歯のクリーニング(歯石取り)
超音波の器具を用いて歯石取りを行います、知覚過敏が生じやすい部位は
手用の器具で細かく丁寧に処置します。
お久し振りの方は、歯石の付着具合によって回数がかかる場合があります。
歯のポリッシング(PMTC)
歯の表面を細かい研磨剤を用いて、ツルツルにするだけでなく細かい傷を修復する作用もあります。
細菌の再付着も抑制するため、虫歯・歯周病予防に効果的な施術です。
歯周ポケット検査
歯周病は、無自覚に進行し全世界で一番罹患者が多い病気としてギネスブックに認定されています。
その歯周病の早期発見に繋がるのが、この歯周ポケット検査です。
歯周ポケットとは、歯と歯茎の間の溝を示し、その溝の深さを専門の器具を用いて検査します。
レントゲン検査
当院では一年に一度、レントゲン検査を(パノラマと全顎デンタルを年1回交互)
行い、見えないところに以上が生じていないか細かく検査しています。
染め出し検査
プラークを赤く染める検査薬を用いることで、日ごろの歯磨きがどの程度できているかチェックすることができます。
フッ素塗布
歯医者でのフッ素塗布は9000ppmと言われ、市販の一般的な歯磨き粉(900ppm)の約10倍のフッ素濃度を塗布することができ、虫歯予防に効果的です。
現在は保険適応で、大人でも高濃度のフッ素を毎月塗布することができます。
歯のメンテナンスの頻度は?
お口の中の環境とリスクによって適切な頻度は変わるというのが答えです。
当院では、分かりやすく「お口の環境」と「リスク」を判断材料としています。
お口の環境とは、「シュガーコントロール」と「プラークコントロール」に分けます。
リスクは、「歯(虫歯リスク)」と「歯茎(歯周病リスク)」に分けて考えます。
適切な生活習慣
・シュガーコントロール
・プラークコントロール
虫歯リスク
・今までの虫歯治療が各年代ごとの平均と比較してどの程度多いかどうか?
歯周病リスク
・4mm以上の歯周ポケットがどれくらい残っているかどうか?
適切な歯のメンテナンスの頻度
・口腔内の環境が整っており、虫歯・歯周病リスクが低い方は半年に1度
・口腔内の環境が整っており、虫歯・歯周病リスクが平均的な方は3ヵ月に1度
・口腔内の環境が整っていない(現実的に難しいご年齢、または身体的制限なども含む)方、
または虫歯・歯周病リスクが高い方は1ヵ月に1度となります。
歯のメンテナンスは海外で「常識」
日本では、定期検診として歯のメンテナンスを受けている人の割合は10%以下といわれる中で、海外では定期検診へ行くのは「常識」なのです。
例えば、アメリカでは80%、スウェーデンでは90%の国民が、痛みが出る前に歯のメンテナンスへ通い、「当たり前」の習慣として捉えています。
その結果は、当然残っている歯の本数にも影響します。
10年前の2013年のレポートで、歯科先進国であるスウェーデンでは80歳の時に21.1本の歯を平均で残せているという結果が出ています。
出典:swedish dental journal vol 39 2015
そしてフィンランドでは80歳の時に25本の歯を残せているというデータもあります。
勿論ただ歯のメンテナンスに行けばよいということではなく、歯のメンテナンスで日頃のセルフケアの完成度を確認すると共に、歯への以上の早期発見、セルフケアだけでは取り切れない歯の汚れを除去するのが目的になります。
生活習慣病に近い側面を強く持つ「虫歯・歯周病」はたまたまなることはありません。
もし「虫歯・歯周病」になってしまったら、その原因が必ずお口の中・生活習慣にあるのです。
逆にその原因を排除することができたら再発は最小限に抑えることができるので、一生涯かけてより多くの歯を保存することができるようになります。
予防歯科に近道はありません、地道な日々の積み重ねによって歯を守ることができるのでまずは歯科健診も兼ねて、歯のメンテナンスに行ってみましょう。
歯のメンテナンスの料金について
当院では、1時間のメンテナンス(歯のクリーニングとPMTCとフッ素塗布)で3000円ほど(3割の保険適応の場合)ご負担いただいております。
またメンテナンスにレントゲン検査や歯周ポケット検査などが加わると約1000円ほどご負担が増えます。3000~4000円前後が一般的な金額のご負担になります。
「歯のメンテナンス」と「予防歯科」の違いって何?
「歯のメンテナンス」と「予防歯科」って何の違いがあるの?と思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
予防歯科とは先程もお話したように、「虫歯や歯周病の原因へアプローチし、予防する」ための取り組みのことです。
一方、歯のメンテナンスは、単にクリーニングだけでなく、お口の中に悪いところがないか検査をして、虫歯や歯周病の兆候や、進行がないか調べることに重点を置いたものです。(異常があれば、必要な治療も行います)
つまり、「歯のメンテナンス」も「予防歯科」も、虫歯や歯周病の異常を見つけて、治すというところは同じです。ですので、そういった意味では、検査や予防を行う「予防歯科の取り組み」の中に、「歯のメンテナンス」が含まれると考えて良いでしょう。
歯のメンテナンスのメリット4選
歯を失う原因となる「虫歯」や「歯周病」を徹底的に予防する「予防歯科」には、たくさんのメリットがあります。
ここでは、予防歯科のメリットについて紹介します。
健康な歯を長く維持して「健康寿命」がのびる
年齢を重ねてからも、歯を多く残せば残すほど「健康寿命」がのびるというデータがあります。そのため、予防歯科で歯を残すことは、将来、長く健康に過ごすためにも非常に重要です。
歯科医師会の実態調査によると、定期メンテナンスによって口腔内の健康を維持しているかたの年間医療費は、一般平均より少ないという結果もあります。
医療費が少ないというのは、当然その分健康ということになり健康寿命の向上にも寄与します。
虫歯や歯周病を早期発見できる
予防歯科で、定期的にお口の中を検査してもらうことで、早期に虫歯や歯周病を発見することができます。
予防歯科で早めにお口の異常に気づけることで、歯を削る量を少なくでき、フッ素やクリーニングなどの簡単な予防治療で、お口の健康を維持できる可能性もあります。
歯医者でのメンテナンスでしか取れない汚れが取れる
「ご自宅での歯磨き」では取り除けない「歯石」「ステイン」の汚れを「歯のメンテナンス」で、綺麗に落とします。
歯の表面にこびりついた「歯石」や「ステイン」などは、歯の表面がザラつくことで、毎日の歯磨きでの汚れが落ちにくくなるだけでなく、その上から更に汚れが付着します。
結果、歯周病や虫歯のリスクが上がりやすくなる為、強固に付着する前に定期的な歯のメンテナンスで汚れを除去するのがオススメです。
経済的な負担が軽くなる
予防歯科に通うと「お金がかかってしまう」と思われがちですが、予防歯科にかかる費用は年に数回程度です。
虫歯や歯周病が進行すると、複数回通院しないといけなかったり、インプラントや被せ物を入れるとなると、予防歯科の何十倍もの費用がかかったりする可能性もあります。
予防歯科に通うことは、これらの高額な治療のリスクを避け、将来的な医療費の負担を軽減することにもつながります。
まとめ
日本でも予防歯科が注目されはじめていますが、海外に比べると、日本はまだまだ予防の意識が低いのが現状です。しかしながら、歯を多く残すことは、「健康寿命」をのばすことにもつながるため、予防歯科でお口の健康を保つことは非常に大事なことです。
篠塚歯科医院では、この予防歯科を重要視しており、すべての患者様が生涯自分の歯でおいしく食事ができるように徹底したサポートを行っています。ご自身の歯を1本でも多く健康に保ちたいと考えられている方は、ぜひ篠塚歯科医院へご相談ください。
当院の「予防歯科」の考え方や、流れについては、以下からぜひご確認下さい。
篠塚歯科医院では、一人一時間の予約時間を基本としており、丁寧な治療とカウンセリングを心掛けております。また診療室も全て個室になっておりますので、周囲を気にせずリラックスして治療を受けられ、お悩みをご相談できる環境が整っております。お口周りで気になることがあれば、お気軽にご連絡下さい。
【本所吾妻橋・浅草の歯医者】篠塚歯科医院 院長
歯学博士 篠塚嘉昭