虫歯じゃないのに歯がしみる?!知覚過敏の原因と対策5選!
みなさんは冷たい食べ物や飲み物を飲んだり食べたりしたとき”キーン”と歯がしみたことはありませんか?
「虫歯かな?」とお口をみてもそれらしきものもなく不思議ですよね。
その症状、もしかするとCMなどでもおなじみの知覚過敏かもしれません。
実はこの知覚過敏、ひどくなると最悪、歯の神経を抜いてしまわないといけないこともあります!
今回は知覚過敏の原因や、知覚過敏になったときの治療法や対処法、ならないようにするための予防法をお伝えしたいとおもいます!
知覚過敏の原因とは?
目次
知覚過敏とは?
知覚過敏とは、虫歯もなく、歯の神経などにも病変がないのに、歯ブラシの毛先が当たったり、冷たいものや甘いものによって痛みを感じる一過性の症状のことを言います。
歯の表面は、エナメル質と言われる、体の中で最も硬い部分で覆われています。エナメル質は削っても、刺激を与えても痛みを感じることはありません。しかし、そのエナメル質よりも内側には象牙質と呼ばれる部分があり、そこは刺激を与えられると痛みとして感じる場所になります。
しかも、歯の根元はエナメル質が覆われていなく、刺激をダイレクトに感じてしまうのです。なので、知覚過敏とは、色々な理由で象牙質が露出することによって起こる症状なのです。
ただ象牙質は、刺激を神経に伝えるための小さな管のような空隙(象牙細管)があるのですが、加齢とともに少しづつその空隙は塞がってくるため、必ずしも全ての人が知覚過敏になるというわけではありません。では先程述べた「象牙質を露出させる色々な理由」とは一体なんでしょうか。
知覚過敏の原因
加齢による歯肉退縮
歯の根元の部分の象牙質は通常、歯肉に覆われているのですが、加齢とともに少しづつ位置が下がります。それにより、象牙質が外部にさらけ出され、むき出しになり、少しの刺激でも痛みを感じるようになります。
歯ブラシなどの機械的な力によるもの
歯肉の退縮は、加齢によるものだけでなく、歯ブラシなどの機械的な力によって下がることもあります。力強いブラッシングや、硬い毛の歯ブラシを使うことにより、歯肉をさげ、象牙質を露出させ、知覚過敏の症状がでてしまうことがあります。
あとは、最近は需要が高まってきてる電動ブラシの誤った使い方や、ホワイトニング効果などと書かれた研磨剤がたくさん入った歯磨き粉なども歯肉を下げる原因です。
歯ぎしりや噛み締め
ストレスなどで起こる、歯ぎしりや、噛み締めも歯肉が下がったり、歯を削ってしまい、知覚過敏の大きな原因になっています。
ストレス社会で、歯ぎしりや、噛み締めをされている方は多くなっており、知覚過敏だけでなくこれらは、顎関節の痛みや、異音、お口が開けずらいなどの症状も伴うこともある顎関節症の原因にもなっています。
知覚過敏になってしまったらどうすればいい?
最初に述べた通り、知覚過敏は虫歯があったり、神経に炎症があるわけではありません。したがって基本的には歯を削ったりするいわゆる虫歯治療のような処置はしません。
知覚過敏になったときの対処方は、5つほどあり、
①歯ブラシの方法や、清掃道具の見直しをする
②知覚過敏用のコーティング剤を塗布する
③歯科用レーザーで治療法する
④CTG法(結合組織移植術)で歯肉を再生する
⑤歯の神経を抜く
以上の治療法が一般的です。今からひとつずつ説明していきます。
歯ブラシの方法や、清掃道具の見直し
知覚過敏の原因は過剰な歯ブラシによる圧や、硬すぎる歯ブラシなどの清掃道具が原因なことも多いことから、
ブラッシング圧をゆるめたり、歯ブラシの毛は柔らかめを使用し、優しく磨くことにより、象牙質への刺激が軽減し、知覚過敏の症状が治まることがあります。
歯磨剤も知覚過敏用のものを用いましょう。知覚過敏の方用の歯磨剤には、乳酸アルミニウムや硝酸カリウムなどの薬効成分が入っています。乳酸アルミニウムは即効性、硝酸カリウムは持続性がありどちらも知覚過敏の症状を抑えてくれる役割があります。
知覚過敏用のコーティング剤を塗布する
歯科医院での処置になりますが、ほとんどの歯科医院は知覚過敏になった方のために、コーティング剤が置いてあります。そのコーティング剤を数回塗ってもらうことにより、象牙質への新たな刺激を防ぎ症状も和らぐことがあります。
しかし、歯ブラシなどの刺激により、数週間で剥がれてしまうため、剥がれてしまったら、塗布し直してもらう必要があります。あとコーティング剤は物によってはセメダインような味がするものもあり、少し口の中が張りつくような感じがあるかもしれません。
最近はそのような刺激の少ないものもたくさん出ており、味や匂いに抵抗がある方は、行きつけの歯科医院に聞いてみてもよいと思います。
歯科用レーザーで治療する
この方法は知覚過敏の症状が酷い方への治療法です。
上記の2つの方法でも治らなかった方はレーザー治療により症状を抑えます。レーザー治療では象牙質から神経へ痛みの刺激を伝える、小さい空隙(象牙細管)を埋めることが出来ます。
このことにより外部からの刺激が遮断され、しかもレーザー治療によって、レーザーが当たった象牙質はとても硬くなり、知覚過敏の症状が緩和されます。
しかし、このレーザー治療はエルビウム・ヤグレーザーが置いている歯科医院でしか出来ません。
レーザー治療ができるか事前に確認することが大切です。
CTG法(結合組織移植術)
歯肉は一度下がってしまうと自然に元に戻ることはありません。CTG法はこのような一度下がってしまった歯茎へのボリュームや、厚みを増やすために、上顎の裏側(口蓋)から歯茎の組織のみを採取し、下がってしまった歯茎へ移植する手術になります。
それにより、知覚過敏の症状を治療するだけでなく、審美的な面でも回復する治療法です。
歯の神経を抜く
上記のことをしても、症状が治まらない場合、歯の神経を抜くことがあります。歯の神経を抜いてしまえば、知覚過敏は100%なくなります。
しかし、神経を抜く治療は回数もかかりますし、健康な歯を大きく削ることになります。虫歯でもないきれいな歯を削ることはオススメしません。
しかも神経を抜いた歯は、健康な歯よりも割れやすく、割れてしまうと抜歯になってしまうため、寿命が短いことが多いです。出来れば神経を抜くことになる前に症状を抑えることをおすすめします。
知覚過敏にならないようにするには?
ではどうしたら、この辛い知覚過敏を防ぐことができるのでしょうか?知覚過敏を防ぐには今からお伝えする4つのポイントがあります。
正しいブラッシングと道具の選択
知覚過敏は象牙質が露出することにより症状が出ますので、まずブラッシングによる圧で歯肉を下げないように気をつけることが大事です。
柔らかい毛の歯ブラシで優しく小刻みに動かし、歯の汚れを落としましょう。どうしても力がかかる方は、少し頭の大きなブラシを使うのもおすすめです。頭の大きなブラシを使用することにより、力の圧が分散され、歯肉が下がるのを防ぐことができます。しかし、奥を磨くのは苦手なので、ポイント用のブラシなどを上手く併用することが大切です。
マウスピースを作る
夜間に歯ぎしり・食いしばりなどをしてしまう方は歯科医院で、歯を保護するマウスピースを作ってもらい、過剰な噛み合わせの力によって、歯が削れてしまうのを、歯肉を下げるのを防ぎましょう。
ストレスを緩和し、リラックスする
歯ぎしり・食いしばりはストレスなどで起こります。なので、リラックスする時間を作り、少しでもストレスを軽減することも大切になります。あと、お風呂などで、顔の筋肉をゆっくりとマッサージすることで筋肉が解れ、歯ぎしり や、噛み締めを軽減出来ることもあります。
噛み合わせを診てもらう
噛み合わせが悪いと、歯を削ってしまったり、歯茎をさげたり、歯が割れてしまう原因になるので、気になる方は、歯科医院でチェックしてもらいましょう。
象牙質が露出すると、知覚過敏だけでなく虫歯にもなりやすくなります。象牙質の露出を予防することは虫歯予防にも繋がるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
知覚過敏はならないように予防していくことが大切です。ご自身では象牙質が露出しているかどうか分からないことも多いです。
定期的に検診に通い、適切なブラッシング方法を習い、歯や歯茎を歯科衛生士や、歯科医にチェックしてもらいましょう!
篠塚歯科医院では、一人一時間の予約時間を基本としており、丁寧な治療とカウンセリングを心掛けております。また診療室も全て個室になっておりますので、周囲を気にせずリラックスして治療を受けられ、お悩みをご相談できる環境が整っております。お口周りで気になることがあれば、お気軽にご連絡下さい。
浅草・本所吾妻橋の歯医者 篠塚歯科医院
歯学博士 篠塚嘉昭