歯科検診を受ける頻度はどれくらい?虫歯や歯周病を予防するために必要なこと
こんにちは。墨田区の本所吾妻橋・浅草の歯医者「篠塚歯科医院」です。
定期的に歯科検診へ行ったほうがいいことはわかっているものの、つい忘れてしまったり、億劫で行かなくなってしまったりすることもありますよね。最低限、歯医者の定期検診に行っておくべき頻度はどれくらいなのでしょうか。
そこで今回は、歯科検診を受けるおすすめの頻度や、虫歯や歯周病を予防するために必要なことをお伝えします。
目次
歯科検診のおすすめの頻度は3ヶ月
歯医者でおすすめされている歯科検診の頻度は3ヶ月とされています。
理由は、下記の通りです。
① 3ヶ月で歯茎の下の細菌叢が、元の状態に戻ると言われているため。
歯周ポケット内の歯周病原菌であるグラム陰性菌群は、歯石除去した後12~16週で、もとの歯周叢に戻る傾向があるからです。
また歯周病リスクが高い方は、1.2ヵ月で自分では磨けない歯周ポケットの洗浄が必要です。
逆に、歯周病リスクが低く口腔環境が安定している方には最長で半年に1度のメンテナンスでも問題ありません。
② メンテナンスでしか取れない汚れがあるため。
歯石やステインは日々のセルフケアでは取れません。付着したまま放置してしまうと、歯周病の進行に繋がってしまいます。
以下の3つの論文では、セルフケアの完成度に関わらず三ヶ月ごとのメインテナンスを行うことで健康を維持できるとされています。
治療後メインテナンスに当たる人は3ヶ月を基本とし、それよりリスクの低い患者さんは長く、リスクの高い試行的メインテナンスや妥協的メインテナンスの患者さんは短く設定する
1.Ramfjord SP, Knowles JW,Nissle RR, Shick RA, Burgett FG. Longitudinal study of periodontal therapy. J periodontol 1973;44(2):66-77.
2.Knowles JW, Burgett FG, Nissele RR, Shick RA, Morrison EC, Ramfjord SP. Results of periodontal treatment related to pocket depth and attachment level. Eight years. J Periodontol 1979;50(5):225-233.
3.Ramfjord SP, Morrison EC, Burgett FG, Nisske RR, Shick RA, Zann GJ, Knowles JW. Oral hygiene and maintenance of periodontal support. J Periodontol 1982;53(1):26-30.
③ 歯石や歯垢など、バイオフィルムが悪さをする前に徹底的に除去できるから
3ヶ月ごとに歯科健診を行うことで健康を維持できます。ただ、状況によってはもう少し短い期間や長い期間をご案内することもあります。画一的に期間を決めるのではなく、患者さまごとリスクに応じたプランが必要だからです。また、定期検診に通うことが定着し、長期的に受診し続けることにより、多くの歯の喪失を防ぐことができるとも言われています。
2.3ヵ月ごとに定期メンテナンスで通院している患者さん群と、年に一度検査のみを行った患者さん群で6年予後を比較したときに、定期メンテナンスで通院していた患者さんは歯周病の進行はほぼ認められなかったのに対して、年1度の検査のみの患者さんには、虫歯の発生と歯周病の進行に大きく有意差が認められた。
Axelsson P,Lindhe J:The significance of maintenance care in the treatment of periodontal disease. J Clin Periodontal, 8:281-294,1981.
虫歯や歯周病を予防するために必要なこと
歯科の二大疾患である虫歯と歯周病を防ぐには、きちんとした知識をつけることが大切です。そのためにも定期的に歯医者に通って、客観的な意見をもらうことをおすすめします。そして、歯科の病気は生活習慣病でもあるため、医療者に頼るだけではなく、ご自身によるケアや生活習慣を見直すことも重要です。定期検診に通い、適切なセルフケアを行うことで虫歯や歯周病を予防することができます。
ご自宅でのセルフケア
歯科の病気は多因子疾患と言われていて、ブラッシングはもちろん、食生活や喫煙、全身疾患などもリスクファクターとなります。歯の並び方や歯垢の付き方、唾液の量や質、粘膜の状況なども人によって違うため、適切な歯磨きの方法も個々により異なります。歯科医院にてアドバイスをもらってご自身のリスクを知り、磨き方や個人に合わせて処方された歯ブラシなどを用いた適切なセルフケアが重要です。
歯医者での定期的なプロフェッショナルケア
上記でお伝えした通り、適切なセルフケアをお伝えすることのほか、ご自身では取り切れなかったバイオフィルムを徹底的に除去します。PMTCと呼ばれる「専門的機械的歯面清掃」にて歯の表面をきれいにし、再沈着しないようにツルツルに研磨してフッ素でコーティングします。また、定期的に確認することで虫歯や歯周病を初期段階で対応できるため、医療費や診療にかかる時間も削減できます。
歯医者の定期検診では何をする?詳しい内容を解説!
「歯科検診では、どんなことをするの?」と疑問に思う方のために、詳しい内容をご紹介いたします。定期検診では、早期発見・早期治療をするための検査と、虫歯や歯周病にならないための予防処置などを行います。
レントゲン撮影
隠れた虫歯や歯周病で骨が吸収してきていることなど、視診で確認することができない問題を見つけるためにレントゲン撮影を行います。治療の予後もチェックすることが可能です。大きい全体的な写真は1年に1回ほど撮影して経過を追い、より詳細な情報がほしいときには小さい部分的な写真と撮ることもあります。
虫歯や歯周病のチェック
虫歯や歯周病は、初期段階だと痛みがほとんどないため、発見するのが遅くなりがち。歯石や歯垢に埋もれているところも徹底的にクリーニングを行って、歯と歯の間や奥歯の裏側など見落としやすいところまで虫歯や歯周病を確認します。
磨き方の確認とおすすめの歯ブラシをご紹介
大切なのは日頃のケアなので、ご自身でのケアで磨き残しがないかチェックして、ご自身の癖を把握していただきます。磨き方のコツやご自身の口腔内に合う歯磨き粉や口腔清掃用具などをご紹介します。
歯垢や歯石を除去してクリーニング
歯面に付着した歯石やバイオフィルムを除去していきます。専用の器具を用いるため、歯を傷つけずに汚れだけをピンポイントに取り除くことが可能です。研磨剤やトリートメントを用いて歯面につやを出し、再び汚れがつきにくいようにケアします。
必要があれば治療
なにか問題が見つかれば、治療や応急処置などを行います。小さいうちに治療ができれば痛みや費用も抑えられるので、できるだけ早めに対応します。
生涯ご自身の歯でお食事ができ、健康的なお口を守るために歯科検診があるのです。もし何かお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。
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歯に付着している汚れは、患者さん自身で見える場合もありますが見えない場合も多いです。その見えない汚れを置いておくことで、どんどん口腔内の環境が悪化してしまい、最終的には痛みが出たり歯が抜け落ちてしまったり、歯を抜くことになりかねません。
そうならないためにも、歯のクリーニングは定期的に行いましょう。
篠塚歯科医院 院長【本所吾妻橋・浅草】
歯学博士 篠塚嘉昭