歯茎の手術にはどんな治療法がある?3つの治療法について紹介
こんにちは!
東京都墨田区にある、篠塚歯科医院です。
皆さまは、歯科医院で歯周外科と呼ばれる「歯茎の手術」が行われることをご存知でしょうか?
じつは、歯科医院での歯茎の手術には様々な種類があり、歯茎の見た目を改善したり、健康な歯を長持ちさせられたりできる手術などがあります。
本記事では、篠塚歯科医院の歯茎の手術で行うことの多い3つの治療法の
- 必要性とその特徴
- 治療によるメリット・デメリット
- 治療の流れについて
それぞれ詳細に紹介していきます。歯茎の手術について詳しく知りたいという方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
目次
歯茎の手術(歯周外科手術)の3つの治療法
篠塚歯科医院で行う「歯茎の手術(歯周外科手術)」には、主に以下の3つの治療法があります。
それぞれの手術の特徴や、流れについてご紹介します。
フラップ手術(歯肉剥離掻爬術)
フラップ手術(歯肉剥離掻爬術)とは、歯周病の治療を繰り返しても治りきらなかった歯周組織に対して、歯茎を部分的に切開し、歯の根っこのまわりについている歯石や、病変部(不良肉芽組織)を除去する歯周外科手術のことです。一番頻度の多い歯茎の手術がこのフラップ手術(歯肉剝離搔爬術)です。
フラップ手術(歯肉剝離搔爬術)の必要性
歯周病の治療には、歯周ポケット内に器具を入れて、歯石を取り除く治療もありますが、4㎜を越えるような深いポケット部分では器具が歯石まで届きにくく、どんなに技術が優れていても完璧に取り除くのは難しいとされています。
「できれば手術はしたくない…」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、歯周外科手術で歯茎を切開することで、歯周ポケットの奥深いところまで目視でき、歯周治療では取り除けなかった歯石までしっかり取り除くことが可能となるのです。
歯周ポケット内がきれいになれば、歯周ポケットの改善が期待できます。そのため、「これ以上歯周病を進行させたくない」「少しでも長く自分の歯を残したい」といった悩みのある方にとって、非常に重要性の高い歯茎の手術となります。
フラップ手術(歯肉剝離搔爬術)のメリット
- 歯周ポケットが改善し浅くなる
- 歯茎の腫れが治り、歯磨きしやすくなる
フラップ手術(歯肉剝離搔爬術)のデメリット
- 術式によって歯茎が下がる可能性がある
- 知覚過敏が生じる可能性がある
歯周外科手術(フラップ手術)の流れ
歯周外科手術の主な流れは、以下の通りです。
- 手術部位に麻酔を行う
- 歯茎を切開
- 病変部(不良肉芽組織)を切除し、歯根表面に付着している歯石を除去
- 必要に応じて歯槽骨(歯を支える周囲の骨)の形を整える
- 切開して開いていた歯茎を閉じて、縫合
- およそ1~2週間後に抜糸
CTG(結合組織移植術)
次にCTG(結合組織移植術)の特徴と、手術の流れについて見ていきましょう。
CTG(結合組織移植術)の必要性
歯周病や強過ぎるブラッシング、加齢などによって歯茎が下がり、歯の根っこがむき出しになってしまった歯茎部分に、口蓋(上顎の部分)から切り出した歯肉を移植する治療法です。
大きく下がった歯茎は、知覚過敏になりやすく、見た目を気にされる方も少なくありません。
CTGで、歯肉を移植して歯茎のボリュームを増加させることで、見た目の改善や、歯周組織の機能回復が期待でき、さらにはインプラントや被せ物の治療前にCTGを行えば、審美性を高めた治療を行うことも可能です。
CTG(結合組織移植術)のメリット
- 下がった歯茎を戻し審美的に回復できる
- 知覚過敏が改善する
- 歯茎の厚みを増やし歯肉退縮しにくくなる
CTG(結合組織移植術)のデメリット
- 上顎の歯茎も切る必要がある
- 術式の難易度が高い
CTG(結合組織移植術)の流れ
CTGの術式は、以下の通りです。
- 手術部位に麻酔を行う
- 移植に必要なサイズをはかり、上顎の上皮をめくって歯肉(結合組織)を切り出す
- 移植先の歯茎の上皮をめくり、歯肉(結合組織)を移植
- 切開して開いていた歯茎を閉じて、縫合
- およそ1~2週間後に抜糸
③歯周組織再生療法(リグロスを用いた再生療法)
最後に、リグロスを用いた歯周組織再生療法の特徴と、手術の流れについて見ていきましょう。
歯周組織再生療法(リグロスを用いた再生療法)の必要性
リグロスを用いた歯周組織再生療法とは、リグロスと呼ばれる「歯周組織再生剤」を使用した再生療法で、進行した歯周病によって破壊された、歯周組織を再生する効果が期待できる治療法です。
このリグロスと同じ成分は、医科においても活用されており、床ずれや、やけどなどの治療にも使用されています。
リグロスは、歯周病で破壊された骨の部分に直接塗布することで、その部分の骨が再生されます。また、リグロスには、血管を新たに作り出す作用もあるため、さらに歯周組織の再生促進が期待できます。
歯周組織再生療法によって歯周組織が再生すれば、歯周病によって歯が抜けるリスクを軽減することが可能となります。またリグロスを用いた再生療法は保険適応となっております。
歯周組織再生療法(リグロスを用いた再生療法)のメリット
- 歯槽骨の再生ができる
- 他の歯周外科より術後疼痛・腫れが生じにくい
歯周組織再生療法(リグロスを用いた再生療法)のデメリット
- 術後治癒までの制限が多い
- 併用する材料によってはコストが高い
歯周組織再生療法(リグロスを用いた再生療法)の流れ
歯周組織再生療法の術式は、以下の通りです。
- 手術部位に麻酔を行う
- 歯茎を切開
- 歯根表面に付着している歯石を除去
- 骨が少なくなっている部分にリグロスを塗布
- 切開して開いていた歯茎を閉じ、縫合
- およそ2週間後に抜糸
まとめ
歯茎の手術にはさまざまな種類があり、手術の種類にもよりますが、歯の見た目を改善したり、歯周病による歯の喪失のリスクを軽減したりなどのメリットが得られます。
しかし適応範囲も限定的でもあるため、自分が適応かどうかは担当医までご相談の上、最適な治療法を選択していきましょう。
篠塚歯科医院では、一人一時間の予約時間を基本としており、丁寧な治療とカウンセリングを心掛けております。また診療室も全て個室になっておりますので、周囲を気にせずリラックスして治療を受けられ、お悩みをご相談できる環境が整っております。お口周りで気になることがあれば、お気軽にご連絡下さい。
浅草・本所吾妻橋の歯医者 篠塚歯科医院
歯学博士 篠塚嘉昭